こんにちは、ドラマーの大井一彌です。
本日はみなさまにお見せできる素敵なものがあります。

アメリカはニューヨークにあるSunhouse社が開発し、ドラムヘッドのEVENS社と共同で作り上げた、
Sensory Percussionという音楽機材とそのシステムがあります。
僕は幸運なことにそれを一台手に入れまして、ひたすらそのソフトウェアと格闘してみた結果、面白い音楽を生むことができました。
そればかりか、Sunhouseのオフィシャルアカウントで僕の作品をアップロードしていただき、さらに、Sensory percussionについてのインタビューも行っていただきました。
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https://sunhou.se/blog/kazuya-oi-dual-core
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Sensory percussionの何が革新的なのか、Sensory percussionで音楽を作ることの意義、楽曲内のギミックの詳細な説明など、
ベラベラと詳らかにお話ししております。
インタビューは英語だったので、
全文を僕が自分の日本語で改めたものを下記に載せておきます。
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自己紹介と、あなたの音楽的なバックグラウンドについて少し教えていただけますか?
私は大井一彌です。東京をベースに音楽活動を行うドラマー、ビートプロデューサーです。
90年代に生まれ、ジャズ好きな父の影響もあってか、学生の時にドラム演奏を始めました。
学生時代は60年代のサイケデリックロックを演奏するバンドを組んで、後期BeatlesやSilver Applesなどから多重録音や電子音楽のヒントを受けて、テクノや電子音楽にも目覚めました。
ドラマー高橋幸宏のコンサートで、高橋幸宏の代役でドラマーを務めた経験から、日本のテクノバンドを代表するYMOの高橋幸宏の後継者と評価を受けています。
現在は電子音楽のバンドyahyelでの活動のほかに、スタジオミュージシャンとして、ロックからポップスまで様々なアーティストのライブサポート、レコーディングを行っています。
また、ビートトラックのプロデューサーとして、アーティストとの共同制作をしたり、ゲームや広告、アート展示等への楽曲制作も行なっています。
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最初にSensory Percussionに興味を持ったきっかけは何ですか?それ以前に他の電子ドラムの経験はありましたか?
ドラムを始めてからすぐに生ドラムと電子楽器のハイブリッドに興味が湧きました。多くのドラマーがヴィンテージのスリンガーランドや、オールドKジルジャンに興味を持つのと同様に、80年代に花開いた電子ドラムのムーブメントに興味を持ち、SIMMONSなどヴィンテージのシンセドラムを研究しました。その研究の過程で知った、yesやKing crimsonのドラマーBill Brufordは今でも僕のドラムヒーローです。日本人なのが影響してか、Rolandの製品は昔から身近にあり、SPD-SXに始まり、今はV-DrumやTM6-PROをよく使っています。また、SPD-SX PROについては、開発部の方からオファーを受け、SPD-SX PROの製品開発に協力したりもしました。
ですがこれまで僕が経験してきたすべての電子ドラムがピエゾの圧電素子でトリガーして発音する機構なのに対して、sensory percussionは全く新しい機構でのセンサリングを行なっており、sunhouseのインスタグラムで知ってから、すっかり虜になりました。
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「Dual Core」のコンセプトと、このアイデアがどのようにして始まったのかを少し教えてください。
これまでは、電子音楽に対して生身のドラマーがアプローチする際、ほぼ必ず、デザインしたバッキングトラックの上で生演奏を行うことに終始してきました。ですが僕が辿り着きたいのは、電子の側と生身の側が、双方向に影響し合う音楽です。そこで、音楽のコアが二つ両立する様子を表現したかったので、Dual coreというタイトルにしました。
片方は主に生のドラムセットで構成され、もう一方はsennsory percussionのトリガーが装着されたメッシュヘッドのドラムです。
生のドラムセットの音を愛する自分と、電子的に変身したガジェットを愛する自分、両極端を表現するために映像上で分身して、自分が二人で演奏する映像作品に仕上げました。
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この楽曲において、Sensory Percussionはどのような役割を果たしましたか?
この曲では、主に4種類の楽器をsensory percussionで制御しています。
1,メインメロディとして機能するハープ系シンセサイザー
スネアの箇所に目一杯多くのゾーン区分を設けて、より多くのMIDIノートを収録しました。それらのMIDIノートは曲のスケール上の鍵盤にランダムに割り振られますが、MIDIノートのベロシティが強ければより高音へ、弱ければより低音への発音可能性が上昇します。また、中心に近いところはリバーブの定位がセンター寄りに、エッジに近くなるにつれてリバーブがより広くなります。
2,ラックタム
楽曲の中盤の、ジャングルドラムンベースのサンプルが乱発するシーンでは、トリガーを叩く速度が遅いと、ドラムンベースのサンプルがストレッチされて、元のテンポよりもゆっくり再生されます。逆に、トリガーする速度が速く、細かい連打が入力されると、サンプルは短縮のストレッチがかかり、より速いテンポで再生されます。
3,フロアタム
楽曲の最後のパートで、TB-303タイプのベースシンセサイザーを演奏しています。スケール上のノートを各ゾーンに割り振り、意図した音階の並びでアシッドテクノのベースを演奏します。
4,生ドラムの方のキック
楽曲の後半のアブストラクトなメタル音楽のシーンで、生のバスドラムにsensory percussionを取り付け、君島大空くんに弾いてもらった歪んだギターリフのワンショットが、キックと同時に発音するようにしました。いわゆるヘヴィミュージックにおける、キックとギターのリズムが完全にユニゾンしたプレイが、ドラマーのインプロビゼーションに追従する表現です。
5
すべてをRolandのトリガーにするのではなく、なぜSensory Percussionを選んだのですか?Sensory Percussionでしかできなかったことは何ですか?
前述したように、トリガーで発信できる情報量が段違いに多いことが理由です。
通常のピエゾピックアップ(Roland RT-30HR)のトリガーで発信できるMIDIノートが2音なのに対して、sensory percussionのトリガーでは10箇所ものゾーン分けが可能です。
これまでのドラムトリガーの適性は、どこを叩いてもパワフルなスネアが鳴らせるようにしたり、リズムマシンのように均一な音をドラムで演奏したりと、ドラムの音色の幅を狭めることに特化していましたが、
Sensory percussionの適性は、よりナチュラルで幅広い演奏性に深くアプローチすることです。
例えば音階楽器をアサインしてメロディーを演奏したり、演奏の盛り上がりに、より詳細な変化を加えることができます。
6
Sensory Percussionを使って作曲し、演奏した経験(手応えや感想)はいかがでしたか?
素晴らしい体験になりました。
周期的な電子音のシーケンスに対して、乱数を加える生のドラム。 という対比構造のみでこれまで表現してきたのに対して、sensory percussionを導入することにより、電子音にも複雑な乱数がある挙動をさせることができて、その結果、音楽が、より有機的なものになりました。
現代のドラマーや演奏家につきものの、”クオンタイズという補正なしでは音楽が成立しない” という感覚や価値観を崩していけるヒントになると思いました。
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映像と動画編集が素晴らしいです!自分がクローン(分身)になるエフェクトをどのように実現したのか、その秘密を教えていただけますか?
私のパートナーでもあるカメラマンの西村理佐に依頼し、今回のアイディアを形にしました。
視点を固定したカメラで、画面を右半分と左半分に分割して2回撮影し、後から左右を合成しました。
音楽のパートが切り替わるところで両者に共通のボイスカウントが聞こえて、音楽を進行させていく仕組みです。
単純なアイディアですが、生楽器と電子楽器を融合させる感じに効果的なヴィジュアルになりました。
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今後、Sensory Percussionを使ってさらに音楽やミュージックビデオを作る計画はありますか?
もちろんです!例えば、、
Sensory percussionを接続したスネアドラム1台から、他のすべての実機シンセやパーカッションを制御して音楽にするような実験がしたいです。
少し前に流行った、公園で鳩が餌をついばむ音をトリガーに使って電子音楽的に仕上がった動画がありましたが、
それを拡張したようなものです。 今私が所有しているPolyendのpercや、prophetや、その他の面白い電子楽器を、すべてをたった1台のスネアによって演奏したら、面白いと思います。次はこれをやります。
9
他に告知やプロモーションをしたい活動や、取り組んでいるプロジェクトはありますか?
yahyelというバンドでドラマー、サウンドプロデューサーとして活動しているので、ぜひ私のバンドの音楽を聴いてほしいです。また、サポートドラマーとして、個人のアーティストとしての活動も多岐にわたるので、ぜひ私のホームページ、Instagram、Xをフォローしてください。また、世界には、コアな音楽を研究している人がたくさんいるはずなのに、私の知り合いはまだそんなに多くありません。
僕と同じように、面白い音楽にトライしている人と意見交換したいので、ぜひDMなど僕に送ってほしいです。一緒に、おもろい音楽を探求しましょう。
@oioiiioiooi
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以上!楽しいインタビューでした。
そして下記が、この音楽制作に関わってくれた方々のタグです
大大大大大大感謝。
https://www.instagram.com/p/Der31FYxqZ3/?hl=en
こらからもこの面白いマシンを使って、素敵なものを作るよ。
いきなりインスタのDMやらホームページのメールに突撃しまくってきた日本人がいても訝しむことなく門を開いてくれて、そのクオリティと音楽愛を共有のものとしてくれたPatrickほかSensory percussionのチームに感謝申し上げます。