寝坊しかけた話

ドラマーの大井一彌です、こんにちは!

 

 

いま、庭の畑が活気付いている。

 

 

 

 

 

 

 

人気アニメの2期のような再燃現象が起きている。

 

 

言わば第1期はミニトマトとキュウリのお話がメインだった。

ひ弱な彼らが実り、そして実を付けなくなり枯れてゆくまでの一夏のストーリー。

 

夏野菜って、良いね。 なんて言いながら、週にほんの少しだけ獲れるミニトマトとキュウリを齧って、あぁこれが無農薬野菜だぜ なんて浸ってみたりする程度の、良い趣味だなというくらいの感じだった。

 

ミニトマトは食べ切れないほど獲れる なんて聞いてたから、構えていた分ちょっと残念でもあり、素人のしょっぱい家庭菜園デビューだったかしらと思っていたのだけど、

終わりを迎えたトマトの苗を連れ合いが抜き払ってくれて、

また来年に期待かしらという感のクロージングなムードになっていたところ、

 

それまでほとんどまともな反応が無く、ただ植ってるだけの木だったピーマンの苗や、

貧弱すぎてほとんど獲れない状態だったナスが、

 

花をつけまくって、大爆破し出したのだ。

 

 

こっから2期。

 

 

夏も終わりへ向かおうかという9月、ピーマンとナスが、とにかく沢山実り出した。

 

第1期のミニトマトに対する、産まれたての子鹿にハラハラするような感覚とは全然違う、

 

彼らはとにかく強靭なのだ。

花をつけたら必ず実るし必ず育つ。

 

まさか自分が、”大量消費レシピ” なるものを検索する日が来るとは思わなかった。

私の作る料理の中で3位以内に入ると連れ合いに言わしめた青椒肉絲がこちら。

 

 

たしかにめちゃくちゃ美味くできた。

 

最近中国料理が楽しくてしゃーない。

お気に入りのパッチの雛形を覚えたシンセサイザーみたいな楽しさがある。

 

 

だが2人暮らしでお互い出ずっぱりなので、家の冷蔵庫には生鮮食品をほとんど常備しない暮らしをしている。

 

野菜が余るのだ。

 

自分で作るとわかる。

フードロスまじでしたくない。

せっかく毎日水やってちまちま育てたのに、一瞬でゴミになるのは嫌すぎる。

 

趣味だっつうのに、いっぱしの生産者の眼になってしまっている。

 

今日から私は出張で3日ほど家を空けるし、

連れ合いもしばらく北海道へ行ってしまって、家に誰も居なくなってしまう。

 

冷蔵庫で萎びていく野菜を想うとどうも気分が良くないので、

昨晩の深夜に近くに住んでる友達に電話して、彼のところまで野菜を届けた。

 

ひかるくんにとって私は、お茶する友達であり、レコーディングドラマーであり、八百屋なのだ。

不思議だ。

 

 

それでも余ったナスを美味しく食っちまくべく、麻婆茄子を作ることにした。

 

現場が終わって帰宅して、なんやかんやしてテッペン過ぎてから料理である。

 

 

趣味だから、時短とかしない。

青椒肉絲は揚げ油用意して具材油通ししてからやるし、麻婆ならザージャンとかいう中華肉味噌作りからやる。

 

そんなことやってウマウマ言いながら食べ終える頃にはもう、アナウンサーや漁師の起床時間くらいにはなっていて、

なんとか寝るのだが、

次の日は朝9時半のフライトだってこと完全に度外視した夜食してたせいで、めちゃくちゃ起きるのがしんどい。

 

今日なんかまじでやばかった。フライト1時間前に目が開いて、

 

リュック一個しか荷物無いのに贅沢にも羽田までのタクシーで運ちゃんを半泣きで急かしながら、

 

 

美味しかった青椒肉絲や麻婆茄子のことを考える。

 

保温ポットに入れて持って行ったら、世田谷で作った料理を、温かいまま北海道の彼女に届けられるのかな とか、ぼんやりとおもうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに第1期、第2期も通して登場し、安定したパフォーマンスを発揮し続けてくれているのはバジルとローズマリーである。

彼らは寡黙でありながらいつでも待機していてくれる。信頼の置けるハーブ達だ